ブラック企業💀……
もはや日本人でこの言葉を知らない人はほとんどいないだろう。
2000年代になり、会社絶対主義が揺らいできた。
「企業が悪いこともある」という発想が生まれ、
悪い企業を指す単語=ブラック企業
という言葉・価値観が産まれたと考えられる。
他のサイトにも書いてきたが、
改めて『ブラック企業』を定義してみよう。
今野晴貴氏は、「若者を大量に採用し、過重労働・違法労働・パワハラによって
使いつぶし、次々と離職に追い込む成長大企業」
と定義しているとのこと。
しかし、中高年を追い詰めるブラック企業もある。
※ある飲食業では「年寄りは動きがのろいのだから、
若者の何倍も働け」と迫っていたという。
また、企業の規模や成長段階はあまり関係ないと私は考える。
始まったばかりの企業でも
「残業代は出しません」と開き直っているところもあるし、
伝統のある企業でも、過労で倒れた社員の家族の前で、
「こんな忙しいときに倒れやがって」
と吐き捨てたという証言もある。
私の定義するブラック企業の定義は以下4つ。
この4つに該当しないようにすれば、
誰にもブラック企業とは呼ばせない、すばらしい職場環境になることは間違いない。
でも、そんな国内あるいは日系企業を私は知らない……。
1.労働法(労基法など)違反がある
これは問題外。漆黒企業だ。
でもこれが多いこと、多いこと……。
「サービス残業」という名の強盗・恐喝行為は有名だが、
1日の残業時間を15分単位で切り捨てて計算するのもアウト。
切り上げるか、1分単位で計算しなければならないのだ。
※サビ残は、労働者がもらえるべきお金を企業ぐるみで巻き上げているのだから、
れっきとした強盗もしくは恐喝と言えるだろう。
その他、よくある法律違反を列挙してみる。
★間違いなく違法
・有休を消化させない
・理由によっては有休を認めない
・バイトやパートは有休がない
・休憩時間も電話番を任される
・生理休暇を認めない
・管理職には深夜手当を出さない
・昼食を取る時間がない
・準備時間を労働時間に含めない
★おそらく違法
・課長・店長は残業代がつかない
・「〇〇したら罰金」と告げる
・長時間労働を苦に辞めた人を自己都合退職で処理
・「ミスしたらわかってるな」と脅す
・求人で年齢を気にする
…………
2.「休めない」というシチュエーションがありうる
労働者は、当然人間である。
人間なのだから、病気にもなれば怪我もすれば、
家庭の事情もあるだろう。
なので「休ませない」というのは、
労働者を人間扱いしていない証拠である。
機械だって故障すれば修理に出すし、
家畜だって病気になれば休ませて獣医に診せる。
でも、ロウドウシャが病気になれば、
「気合が足りない」と出勤を促す!?
1人や2人抜けただけで回らないシフトを組むこと自体おかしい。
慢性的な人手不足であっても、
年収一億円とか夏休み100日とか、一切の叱責を禁止するとか、
誰もがうらやむ労働環境を用意すれば、人なんていくらでも来る。
3.『社畜』に乗っ取られている
今度の記事で『社畜』も定義しておかねばと思う。
『社畜』がいる職場は、雰囲気も労働環境も凄まじい勢いで悪化。
互いにいがみ合うようになり、
いじめ・パワハラ・セクハラが頻発する阿鼻地獄となる。
4.経営者目線が求められる
日本企業の特徴のひとつとも言えるが、
これがかなり厄介だ。
経営者:「いかに低賃金でたくさん働かせるか」
労働者:「いかに高賃金で少ししか働かないか」
利害は対立して当然なのだ。だから
労働者に経営者目線を求めるなんて決してありえない。
求めるなら、役員報酬を出すべきである。
また責任感を持つのは、本来労働者の役割ではない。
経営者・使用者の役目だ。
それなのに、マジメな日本人労働者は勘違いし、
「仕事には責任を持つべき」と思い込んで、
自らの首を絞めることになってしまっている。
労働者でありながら「歯車」であることが認められない。
骨の髄まで奴隷になり切らなければ許してくれない……。
平社員やパートにまで、「自ら考え、積極的に動く」ことを要求し、
末端の労働者にまで「責任感」「プロ意識」を求め、
会社への無限のコミットを強要する……。
これでブラック化しないはずがなかろう。